他人同士が寄り添う難しさ。夫婦の再生映画『ぐるりのこと。』
夫婦ってね、長く一緒にいればお互いのことをよく知っているつもりになっている。しかし実は何にも知らなかったってことは結構ある。
嫌な部分が妙に目につく時だって、ついつい自分のイライラをぶつける時もある。
元々他人同士で、育った環境も好きなものだって嫌いなものだって違う。
山崎まさよしの名曲『セロリ』みたいなもんだ。
別れてないってことはね、「つまりは単純に君の事好きなのさ~♪」なのである。
お話は逸れるが、山崎まさよし主演の『月とキャベツ』(1996年公開/監督:篠原哲雄)は、風景や空気感が凄く好きだったなぁ・・・。ちょっと山崎まさよしのセロリついでに(笑)
話は戻り、2年前にご主人さまは癌になり、放射線治療と抗がん剤治療をした。コロナ禍ということもあり、中々会うこともできず、家に私とワンコだけ・・・。なんだか不安で寂しくて、ご主人様と暮らす当たり前の毎日がこんなに大切だったなんて・・・。
離れて分かることもある。
今は毎日喧嘩したり、笑ったりして二人で過ごしている。
では、
夫婦を描いた映画の中から、一本をご紹介
『ぐるりのこと。』
2008年公開の日本映画で、監督は樋口亮輔監督。
しっかり者で繊細な妻・翔子(木村多江)と法廷画家をしている飄々としている夫・カナオ(リリー・フランキー)。子供の死から心が壊れて鬱になる翔子と、翔子の苦しみを受け止めるカナオ。夫婦の10年の再生物語である。カナオの飄々とした掴みどころのない雰囲気と、さり気ないけれどふわっとした優しい言葉に、グッとくる。
私の母は、重い鬱病で入退院を繰り返しているので、傍にいる家族の気持ちならわかる。本人が一番苦しいのだろうけど、傍にいる家族もそれはそれでね、とっても大変で苦しいものなのである。
ながーいながーい時間が流れて、母も再生できたらいいなと、この映画を観るたびに思う。
では、おやすみなさい