ついてない日があっても、明日はきっと・・・
私は、派遣の仕事の他に、(ポンコツ)在宅ライターを数年やっている。
実際にライターを始めてわかったことがある。
こうやって自由気ままにブログを書いたりは好きだけれど、お金が絡むと、自由は許されない。きっと私がポンコツでさえなければ、自由に書かせてくれるような仕事に出会えたのかもしれない…。
当たり前のことだが、誤字脱字は当然許されない。正しい日本語で分かりやすく(伝わりやすく)書かなきゃならない。できなきゃ何度もやり直し。内容の面白さなど求められてはいないのだ。
私らしさなど、求められていない。
決められた本数の記事をこなしていくだけである。
大体私は、夏休みの最後の日まで宿題が1ページも終わっておらず、頭を抱えながら小学校の6年間を過ごしたダメ人間である。
大人になっても、当然〆切ギリギリで徹夜して仕上げる。。
ポンコツは文字単価も上がらず、時給に換算すると悲しくなってくる金額しか頂けないのだ。
いい加減でポンコツな割に、妙に真面目な所もあるものだから、仕事はきちんとしたい。
だからズルができない。
おまけにすこぶる要領が悪く、不器用である。
高倉健の不器用さを軽く凌駕する。というか高倉健は、不器用ではない。
因みに健さん映画であれば、1975年、佐藤純弥監督の『新幹線大爆破』が好きである。
私は不器用な人が好きである。
だから、ロイ・アンダーソンの映画に出てくる人たちが、堪らなく愛おしい。
不器用人間だらけだからである。
ついてない日があっても、あしたはきっとって思えちゃうのだ。
悲劇を喜劇に変える魔法使い ロイ・アンダーソン監督のお気に入り映画4本
日本公開は2008年
特に特別な事は起こらない、へんてこな日常がたまらなく滑稽で愛おしい。
どうしようもないメンヘラ女も、愛おしくてたまらないのだ。
『さよなら、人類』:2015年公開/スウェーデン、ドイツ、ノルウェー、フランス
何をやってもダメダメな、面白グッズ売りのサムとヨナタンや、死んでも宝石入りのバッグを手放さない老女などなど・・・ついていない人たちのオンパレード。
でも、なんだか人って面白くて嫌いになれない。
全39シーンを、固定キャメラ、1シーン1カットで撮影。CGを使わずにアナログに拘り4年をかけて作り上げている。
とある惑星に住む人々の、シュールでブラックに満ちた出来事が、妙に面白い。
CGを使わず、アナログに拘っているのも、素晴らしい。
『ホモ・サピエンスの涙』:2020年上演/スウェーデン、ドイツ、フランス
全33シーンをワンシーンワンカットで撮影、絵画を切り取ったような美しいシーンは、CGを使わず巨大セットで作り上げている。
不器用に生きる人たちの悲哀に満ちた日常が、なんだか笑えてしまう。
人間って滑稽で、醜いのに、なぜか愛おしい。