ちょっと休憩していかん?

ポンコツな日常と映画

悲劇を喜劇に。素晴らしき哉反戦映画『肉弾』『血と砂』

肉弾


今朝、石垣島のミサイル配備について住民が抗議しているニュースを見た。

色々と思う事はある。

 

戦争映画は同じ戦争を描いても、作られる国で全然違ったものになる。

それは、視点が違うから仕方がない。

自分の国視点だから、自分の国が正義と言う見方になる。

ただ、実際はどこにも正義など存在しない。馬鹿な私でもわかる。

 

自分の大切な人が犠牲になったら、私は復讐するだろう。

大切な人を奪った国の兵士なら、誰でもいいから復讐するだろう。

その人に家族が居ようが、どんなに素晴らしい人間だろうが。

そこが戦争の恐ろしさである。終わりがないのである。

 

私は岡本喜八監督が好きだ。

2005年に81歳で亡くなるまで、多くの作品を残してきたが、「戦争批判・明治維新批判」をライフワークに掲げ続けた監督だ。

作品の多くは、ユーモアに溢れているが強いメッセージ性がある。

どの作品も、音楽・映像共にモダンで今観てもまったく色褪せない。

 

私の好きな反戦映画2本ご紹介して、今夜も無事に一日を終えた事に感謝しよう。

 

『肉弾』1968年/監督・脚本:岡本喜八 

あいつ/ネズミ(演:寺田農)の戦時中~戦後までのお話で、あいつの淡い恋や戦争に対する想いなどを、コミカルかつ切なく描かれている。

究極に皮肉めいたラストは、戦争の悲惨さより滑稽さが際立つ、反戦映画である。

 

血と砂1965年/監督:岡本喜八 脚本:佐治乾・岡本喜八

血と砂』は、戦争活劇大作映画と言われる岡本監督の独立愚連隊シリーズの少年版と言われる作品である。

銃すら持ったことのない軍楽団の少年たちが、戦地に向かう話だが、少年たちのやり取りがコミカルで戦争を忘れ、思わず笑ってしまう。

ミュージカル映画のように楽しませてくれる反面、ラストに向け悲しい現実を目の当たりにする。

戦争の恐ろしさと、愚かさを痛感させられる反戦映画である。

 

悲惨な戦争映画は沢山ある。しかし戦争という悲劇を喜劇に変えつつも、戦争の悲惨さもしっかり描いている。

この2本は、数ある戦争映画の中でも群を抜いて好きな2作品である。

 

当たり前に来ると思っている明日が来ないかもしれない。

大切な人が犠牲になるかもしれない。

むかーしまだ私が少女だったころ、学校の先生の口癖が「想像力が足らない」だった。

そうなのかもしれないと、今になって思う。