ボーダーのお洋服にハットの紳士『エルム街の悪夢』シリーズ
子供の頃、テレビのゴールデン洋画劇場をみせてもらえるのは、子供にとっては深夜のパーティの如くワクワクしたものだった。
と言うのも我が家は、9時以降テレビを見せてもらえなかったのである(中学生まで)しかし、特別ルールがあって土曜日は9時以降も見れると言うもので、そこで初めてグリーン×レッドのボーダーのセーターにハット、鉄の爪という装いのオシャレ紳士に出会ったのである。その紳士が、映画『エルム街の悪夢』(1984年/アメリカ/監督:ウェス・グレイブン)のフレディ・クルーガー(演:ロバート・イングランド)である。
初期のフレディはまだお茶目ではなく、ただただ恐ろしい存在だった。高校生の夢にあらわれて夢の中で高校生を殺していく。夢の中で殺されると現実でも死んでしまうという話である。
最初の作品にジョニー・デップが出ている事は有名だが、ハリウッドスターは殺され方も派手である。
ベッドに吸い込まれたかと思ったら、大量血が噴水の如く吹き上がるのである。
これはスタンリー・キューブリック監督の映画『シャイニング』のオマージュらしいが、子供には刺激が強いのである。
だが、2からフレディのお茶目な部分がチラリ。それ以降はもうお茶目さ全開なのである。
では、わたくしが独断と偏見で選ぶ、『エルム街の悪夢』シリーズ9作品の中から特に好きな作品3作品をご紹介。
まずは全9作品をご紹介(公開年は米国の公開年)
・『エルム街の悪夢』(1984年/監督:ウェス・グレイブン)
・『エルム街の悪夢2フレディの復讐』(1985年/監督:ジャック・ショルダー)
・『エルム街の悪夢3惨劇の館』(1987年/監督:チャック・ラッセル)
・『エルム街の悪夢4ザ・ドリームマスター最後の反撃』(1988年/監督:レニー・ハーリン)
・『エルム街の悪夢5ザ・ドリームチャイルド』(1989年/監督:スティーヴン・ホプキンス)
・『エルム街の悪夢ザ・ファイナルナイトメア』(1991年/監督:レイチェル・タラレイ)
・『エルム街の悪夢ザ・リアルナイトメア』(1994年/監督:ウエス・クレイヴン)
・フレディVSジェイソン(2003年/監督:ロニー・ユー)
・エルム街の悪夢(2010年/監督:サミュエル・ベイヤー)
①寝るのが怖くなる 『エルム街の悪夢』(1984年/監督:ウェス・グレイブン)
やっぱり最初が一番怖い!!
ナンシーが風呂場で寝てたら、湯船の中からフレディの爪が!!!のシーンが有名な第1作目。
主人公のナンシーの友人ティナは、フレディに殺された後、遺体袋の中に入ってご登場。そして口からムカデをべっろ~んと出すシーンは、ぞくぞくするほど美しいシーンである。
また、ジョニデの殺され方と、吹き出す血のシーンは圧巻。
シリーズの中でも、フレディが真面目に怖がらせているのも良い。
しかし怖いだけではないのが、この映画の素晴らしい所よ。
怖がらせたいのか、笑わせたいのか謎のおかん吸い込みシーンでは、どんな気持ちで見たらいいのかわからない程、おかんのマネキン感?空気人形感??ダッチな妻感???が否めない。
②めっちゃ楽しむフレディをご覧あれ『エルム街の悪夢4ザ・ドリームマスター最後の反撃』(1988年/監督:レニー・ハーリン)
続いては、アリスと言う夢をコントロールできる主人公が登場。
フレディも4ともなれば、慣れて来たのかフレディもはっちゃけまくる。グラサン姿のバカンス気分フレディにもお目に掛かれる。
殺され方も斬新で、ゴキブリにされた挙句、ゴキブリホイホイに入ってしまい、フレディにぐちゃっとされたり。
または、フレディの熱いキッスで、体内の空気吸い取られてポックリいってしまったり。
劇中、人面ミートボールが乗ったピザを爪で突き刺して食べると言う可愛いシーンもある。
③フレディのルーツ『エルム街の悪夢ザ・ファイナルナイトメア』(1991年/監督:レイチェル・タラレイ)
エルム街の6作品目で完結編となる今作では、フレディがなぜ殺人鬼になったのかが明かされる。しかも生きている時の素顔のフレディにも会える。
そして何より実の娘マギーとの対決も見られる。
フレディの爆発シーンは、爆笑ものでその胡散臭さが癖になる。
正直3匹の悪魔だか何だかが、爆発したフレディの中から飛び出すのだが、その悪魔の姿がまた・・・。
そういった何とも言えぬ胡散臭さがたまらん。
評価は『エルム街の悪夢4ザ・ドリームマスター最後の反撃』と『エルム街の悪夢ザ・ファイナルナイトメア』共にそんなに良くはない。しかしそれがなんだって言うのさ。あたいは好きなのさ。
誰かの最高は誰かの最低。
誰かの最低は誰かの最高なのである。
明日はお休み。
一杯やりたい事があってワクワクで眠れそうにないな。
では、夏の夜のドライブにもってこいの一曲を聞きながらお休みなさい。
Ellie『So I』