「この世界にゴキブリはいらないよね」と、夏が近づくと職場の年齢層高めのレディたちがこぞって言いはじめる。
確かにゴキブリは気持ち悪いが、地球にとって一番いらないのは人間である。
人間はろくなことをしないからだ。
環境を破壊しているのも、この世に在ってはいけない核兵器を作ったのも人間である。
私はゴジラシリーズがすきだ。
ゴジラは人間が作り出してしまった、悲しい怪獣である。
そもそもゴジラは深海で生き延びた恐竜で、度重なる水爆実験のせいで目覚めた挙句、全身に水爆エネルギーをまとった巨大怪獣になったのだ。
シリーズの中でも、『ゴジラ対ヘドラ』(1971年/監督:板野義光)は、ゴジラシリーズの中でも異色ムード漂う映画である。
物語の途中に入るアニメーション、魚人間に強烈な歌。
ゴジラ映画はどれも、「科学の進歩(原子力)は、人を幸せにするとは限らず、使う人間次第だ」という強いメッセージが込められている。
この映画に出てくるヘドラは悪者扱いだが、いったいこのモンスターを生み出してしまったのは誰なのか、よく考えなくてはならない。
そしてゴジラは架空の生き物だと笑ってられない日が来るかもしれない。
おやすみなさい。